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薪ストーブに使う樹種の違いと選び方

薪ストーブに欠かせない「薪」。

購入したり、自分で作ったりすると思いますが、薪ストーブの心地よい暖かさを実現するには、ストーブの性能だけでなく、「樹種」や「薪の質」が大切です。

木の種類によって、火のつきやすさ、燃焼の持続時間、煙やススの出方などが大きく変わります。

今回は、代表的な樹種の特徴と、選ぶ際のポイントをご紹介します。

薪の種類は大きく分けて2種類

ひとことで「薪」と言っても、「木」であれば何でも一緒ではありません。
薪は大きく分けて「針葉樹(柔らかい木)」と「広葉樹(硬い木)」の2種類に分けられます。

針葉樹は、その名のとおり葉っぱが細くて針みたいな形をしている木のこと。ほとんどが一年中葉っぱを落とさない“常緑樹”です。スギやヒノキがその代表ですね。

一方、広葉樹は葉っぱが手のひらのように広がっていて、秋になるとカラフルに紅葉してから落葉するものが多いです。

ただし「葉っぱが落ちる=広葉樹」とは限りません。木の種類によってはちょっと例外もあります。

「針葉樹」と「広葉樹」の違い

まずはざっくりと「針葉樹」と「広葉樹」の違いを紹介します。

針葉樹は、軽くて油分が多く、火がつきやすいのが特徴です。反面、燃焼が早くススが出やすいため、焚き付け用や短時間利用向き。価格も比較的安いです。

一方で広葉樹は、木の組織の密度が高いため、着火や火力を上げるのに時間がかかります。ゆっくり燃えるため、長時間じっくり暖を取るのに最適です。油分が少ないため、煙も出にくいですが、針葉樹に比べて価格は高め。

それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることで、薪ストーブの使い心地が大きく変わります。

焚き付けや補助に便利な「針葉樹」の特徴

■ スギ

建築材としても馴染み深いスギは、「着火材」として非常に優秀です。

軽くて火付きが早いですが、燃え尽きるのも早いスギは、油分が多く、煙やススが出やすいため、主燃料には不向きです。

最初の火付けには最適な樹種なので、細く割っておくと、点火時のストレスを大幅に減らしてくれます。

■ ヒノキ

木肌がきれいで香りも良く、焚き火や室内でも人気のある木。

着火性・火力が高く、焚き付けや短時間暖房に便利です。主燃料には向きませんが、すぐに暖を取りたい時に重宝します。

炎が明るく、燃えている姿が美しいのも特徴。針葉樹の中でも少し密度があるため、スギよりは長持ちします。

■ マツ

油分が非常に多く、燃やすと勢いよく炎が上がります。スギやヒノキに比べると、多少燃焼時間が長いです。

火力はありますが、煙とクレオソートが出やすいため、連続使用には注意してください。

キャンプなどでの爆発的な火力が魅力ですが、家庭用の薪ストーブでは“ほどほどに”がポイントです。

薪に適した「広葉樹」の特徴

■ ナラ

どんぐりの木として認知されているナラの木。

多くの薪ストーブユーザーが薪として利用している樹種です。

火持ち・火力ともに優れ、煙も少ないのが特徴。燃焼が安定していて、炎もきれい。薪として扱いやすく、初心者にもおすすめです。

乾燥させるには1年半〜2年程度が理想。少し重めですが、それが逆に「よく詰まった良い薪」の証拠です。

■ クヌギ

ナラと並ぶ高品質な薪、クヌギ。古くから炭材としても使われるだけあり、火の強さには定評があります。

高い火力と長い燃焼時間が魅力。薪がパチパチとはじける音も、とても心地いいです。

少しだけ重く、薪割りはやや硬めですが、燃やした時の性能は抜群です。

■ カシ

「重たい薪=良い薪」と言われる中でも、カシは別格の存在。「薪の王様」とも称されます。

非常に硬くてずっしり重く、火持ち・火力ともにトップクラス。

高温で長く燃える薪で、煙突温度も上がりやすく、炉内温度も安定します。

ただし、しっかり乾燥させないと煙が多くなるので注意してください。

硬くて割りにくいため、薪割りに体力が要る点が唯一の難点。上級者向けの薪とも言えます。

■ サクラ

見た目や香りに特徴があり、やわらかい雰囲気のある薪です。

火持ちは中程度ですが、燃やすと甘い香りがします。室内に置いておくとほんのり香りも楽しめるんですよ。

炎の立ち方もやさしく、美しく燃えます。薪割りが比較的しやすく、乾燥も早いです。

■ ケヤキ

見た目が美しく、街路樹や家具材としても人気のケヤキ。薪としても使えますが、少しクセがあります。

火力はしっかりありますが、火持ちはやや短め。火付きはあまり良くないですが、乾燥させれば使いやすくなります。

燃やすとパチパチ音がしたり、時々火花が飛ぶこともあるので注意してください。

乾燥させるのに時間がかかる(1年以上が目安)うえ、乾く前はかなり重たい薪です。

ただ、よく乾かせば火力もそこそこあり、炎もきれいなので、ナラやクヌギほどの人気はないものの、“あるなら使って損はない薪”といえます。

家具材として有名なだけあって、割った薪も木目がきれいで、保管していても見栄えが良いですよ。

まとめ

樹種によって燃え方も個性も異なる薪。ストーブの使い方や設置環境、求める暖かさによって最適な薪は変わってきます。
また、どんなに良い樹種の薪でも、しっかり乾燥していなければその性能は発揮されません。必ずよく乾燥させてから使用してください。

ハースクラフトでは、薪についても詳しくご説明しています。お気軽にご相談ください。


この記事を書いたのは…
“薪ストーブのある暮らし”の魅力をお届けする佐藤です。

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